【持ち家VS賃貸】土地家屋調査士の意見

家を買うべきか、あるいは賃貸にするかお悩みの人も多いと思います。
土地家屋調査士として、いろいろな不動産に関わってきたことと
自分自身が15年前に自宅を購入した経験からお話します。

結論を言うと中古の戸建てで価値が下がらない土地を購入することをおすすめします。

その裏付けとして、よく持ち家VS賃貸で議論される3つのポイントをお話します。

1つ目は、持ち家で所有の欲求VS賃貸の気楽さ
2つ目は、持ち家は住み替えできないVS賃貸は気軽に引っ越し
3つ目は、持ち家は資産VS賃貸は家賃を支払うだけ

それでは
1つ目は、持ち家で所有の欲求VS賃貸の気楽さ
現代では所有の時代からシェアの時代に変わって、
10年前から比べると服も、かばんも、車も所有ではなく借りる人が多くなっています。
ただし、家は持つものという伝統的な価値観があります。
しかし家を持つには多額のローンを組まないと行けない。
そこで躊躇されと思います。

中古住宅で、無理のない返済プランで購入することをおすすめします。
建物は経年とともに価値が下がって行くだけです。
ある程度のところで価値はゼロになって、それ以降は解体の費用の分だけマイナスになります。
中古住宅で建物の価格を低くすれば、それだけ値下がりする価格は少なくて済みます。

新築のような綺麗さはありませんが、中古で所有の欲求を満たすこともできます。
新築もきれいなのは最初だけです。ときが経てば中古住宅です。

新築でローンの重圧と賃貸の気軽さがあると思いますが、
その中間の中古住宅で無理のない支払いをおすすめします。

2つ目は、持ち家は住み替えできないVS賃貸は気軽に引っ越し
せっかくの新築のマイホーム
でも、近隣のトラブル、こどものいじめの問題が発生して、引っ越しをしたいでも簡単には引っ越しできない。
賃貸であれば気軽に引っ越しができて良い。でも家を所有したい。

そういったことを考慮すると、やはり中古住宅が良いのではと思います。
新築の場合は、売却してもローンの全額返済できない可能性があります。
中古住宅の場合は、値下がりの額が少なくて済みますので、
最初の物件選びを間違えなければ、売却して残債が残るリスクは少ないと思います。

また売却をしなくても、賃貸で貸し出す方法もあります。
新築を購入した場合であれば、家賃収入だけではローンの返済には足りないかもしれません。
中古物件であれば家賃収入でローンを返済する方法も考えられます。

子供が22、3歳くらいで独立することを考えれば、家族で過ごす時間は意外と短いものです。
子供が独立した後は、広い家は必要がないかもしれません。
老後は売却して、狭くても利便の良いところに住む、あるいは老人ホームなどの施設、地方移住も考えられます。

新築は売却しても、残債があることも考えられる。賃貸で貸しても家賃収入だけではローン返済ができない。

中古住宅であれば、売却でも賃貸でも、ローン返済ができる可能性はあります。
賃貸でも新築でもない。中古物件をおすすめいたします。

3つ目は、持ち家は資産VS賃貸は家賃を支払うだけ
家賃を支払っても自分のものにならないというのはよく言われることです。
ただし、購入したとしても建物価格というのは、木造で言えば築20年でほぼ0円になります。
それ以降は、解体の工事費用おおよそ100万円から200万円程度はマイナス評価になります。
土地もその物件によりますが、人口の減少と住宅の過剰供給を考えれば、ほとんどの土地は買った値段では売れません。

では、どうするかと言うと、
中古住宅でできるだけ建物の価格をおさえる。
そして土地は、値下がりしないできれば値上がりするところ選ぶということになります。

奥さんは新築の住宅に憧れると思います。
しかし、とんでもない変化が起こっている世の中では、資産はものすごく重要です。
新築のマイホームよりもやはり資産価値が優先ではないでしょうか。

家を買うというのは、その街を買うということでもあります。
街というのは、成長期→成熟期→衰退期という流れがあります。
成長期に購入して成熟期で売却できれば、うまく売り抜けられるのかということが言えます。

私の家は、埼玉高速鉄道の鳩ヶ谷駅徒歩3分のところにあります。
購入したのは15年前で、鳩ヶ谷駅が出来て間もない頃です。
その当時の駅周辺は区画整理をしていて道路は、迷路のようにぐちゃぐちゃで、
お店は駅前に庄やと笑々があって他は何もないという状況です。
今はどうゆう状態かと言うと、区画整理が進んで道路が整然と区画されて、それなりに店舗は増えてきました。
ただしまだ成長期であって、これからまだ発展するのかと思っています。
鳩ヶ谷駅ができる予定の段階で購入できれば、もっと安く買えたとは思います。
そこまではうまくは行きませんでしたが、その地域の成長期→成熟期→衰退期を見るというのも大事だと思います。

私のオススメとしては、建物の価格を抑えて値下がりしない土地を選ぶということになります。

家を購入するにあたっては、これから先の未来を考えることも重要です。

賃貸住宅のデメリットとしては、老後も家賃を支払い続けないと行けない。
下手をすると老後に住むところがなくなるリスクがあります。
まず大家さんは、高齢者の入居を嫌います。
孤独死をされると大変だからです。
また家賃保証会社も高齢者の保証を断るケースが多いです。
もし賃貸住宅に済み続けるのであれば、
老人ホームに入るあるいは安い住宅を購入できるだけの資金は用意しておく必要があります。

これからは貧富の差が大きくなります。
AI化と人口の減少でマーケットは縮小します。
仕事は、どんどんなくなっていきます。
2割の金持ちと8割の貧乏人の時代になります。
ベーシックインカムが導入されて、1人7万円から10万円くらいのお金が国から支給されて、
それで生活していくようになります。

極端なインフレが起こることも考えられます。
今、世界中でお金を印刷してバラまいているので、お金自体が薄まってる状態でお金の価値が下がっていくのではと言われています。
今まで3足1000円で買っていた靴下が、2000円、3000円あるいは5000円出さないと買えない時代になるこも知れません。
お金の価値が下がることも考えられますので、お金を現金で持つのではなく、インフレと一緒に価格が上昇するもの、不動産に変えて置くのも大事です。
またある程度ですが、できれば固定金利で融資を受けておくのも良いと思います。
3000万円の融資が、お金の価値が下がれば、価値としては1500万円とかに目減りすることも考えられるからです。
ただしインフレが起きない可能性もありますので、収入の25%の支払いで済むようなほどほどの住宅ローンがよろしいかと思います。

いろいろ意見はあると思いますが
私としては、中古物件で建物の価格をおさえる
そして価値が下がらない土地を選ぶということになります。

以上、参考にしていただければ幸いです。