地積測量図ってなに?どこで取れるの?書かれてることがわからない!

不動産の調査をする上で、資料の一つになるのが、
法務局に備えられている地積測量図です。
でも地積測量図を実際に見てみても、世界測地系とか、任意座標とか、座標系とか
意味が全然わからない。そんなことありますよね。

今回は、地積測量図ってそもそも何なの?
どこでどうやって取得するの?
どんなことが記載されているの?
そんな話をします。
今回の動画を見ていただければ、地積測量図の見かたが変わります。
ぜひ最後までご覧ください。

それでは3つのポイントでお話をします。
1つ目は、地積測量図とはそもそも何なの
2つ目は、地積測量図はどうやって取得するの
3つ目は、地積測量図に書かれている内容

それでは
1つ目は、地積測量図とはそもそも何なのっていう話です。
地積測量図は、昭和35年の不動産登記法の改正から、
分筆登記や面積を訂正する地積更正登記などの登記手続きをする際に提出される測量図面です。
なので、土地の登記記録を見て、表題部に「○番○から分筆」とか「③○番○、○番○に分筆」とか「③錯誤」とかの記載があれば、
地積測量図はある可能性が高いということになります。
ただし昭和35年の法改正以前の分筆や地積更正について図面は存在しないということになります。
ちなみに表題部に記載されている①②③というのは、
①は地番で、②が地目、③が地積ということになります。
地積を変更する場合には、③のあとに地積を変更する原因を記載することになります。
そして、地積測量図は、法務局で永久に保管されます。

2つ目は、地積測量図はどうやって取得するの
地積測量図を取得する方法はいくつかあります。
①インターネットで取得する方法
登記情報提供サービスを利用して取得する方法があります。
地積測量図については、平日 午前8時30分から午後9時まで利用することが出来て、1件について364円で取得するが出来ます。
PDFデータで取得した地積測量図を自分で印刷します。
法務局の公印は押されていないので提出する書類としては向かないこともありますが、調査資料としては十分です。
https://www1.touki.or.jp/

②オンラインで申請する方法
登記ねっとを使ってオンライン申請をする方法があります。
https://www.touki-kyoutaku-online.moj.go.jp/index.html
オンライン申請の場合は、法務局の公印がある公文書として取得することが出来ます。
交付の方法は、好きな場所に郵送してもらうことも出来ますし、
指定した法務局の窓口で交付して受け取ることも出来ます。
法務局の窓口での受領は、その不動産の場所に関係なく、日本全国どこの法務局でも
指定した法務局で受領することが出来ます。
平日 午前8時30分から午後9時まで利用することが出来て、郵送交付の場合は1件450円、窓口での受領について430円で取得するが出来ます。

③法務局の窓口、または郵送で取得する方法
・法務局の窓口
法務局の窓口に申請書を提出
1件について450円分の登記印紙または収入印紙と一緒に申請します。

・郵送による申請
郵送による申請の場合には、返信用の切手と封筒、申請書、手数料(1件450円)分の登記印紙または収入印紙を郵送して申請します。

3つ目は、地籍測量図に書かれている内容
地積測量図には法律で決まった記載事項というのがあります。
地積測量図を見ると座標値とか座標系とかあるいは世界測地系といった記載があります。
なかなか一般の人には見てもよくわからないと思いますので、その辺りのお話をします。

・地番区域の名称
地番区域の名称というのは、その土地の所在のことです。
これは「川口市里一丁目」のごとく記載をします。

・方位
方位の種類でいうと、
磁北:現地で磁石を使って測定しています
座標値の北:座標軸のX方向を北にした方位
真北:太陽観測等を行うか、他の真北測定の成果から転用して使います。
他の測量図等から北方向を書き写すこともあります。

公共座標を用いて測量する場合には、座標値の北を図示することが多いと思います。
マンション用地等の場合は、真北測定をして記載することもあります。
公共座標の座標値の北と真北は、角度で10′程度わずかな差があります。
磁北と真北および座標値の北は、6′程度のズレがあります。
任意座標の場合には、磁北あるいは他の測量図などから書き写して方位を記載することが多いです。

・縮尺
縮尺は原則として250分の1で記載します。
土地が大きくて、250分の1では用紙に収まらない場合には、500分の1、1000分の1、2500分の1の縮尺で作成することもあります。

・当該地の地番および隣接地の地番
申請地の地番と隣地の地番を記載します。
これで隣地との位置関係が明確になります。

・地積およびその求積方法
地積は宅地であれば、少数第2位までで、第3位の数値を切り捨てた数値で記載します。
求積方法は現在では、ほとんど座標法による求積で行われています。
10年くらい前までは、三斜法と言って三角形を作って求積する方法が行われていましたが、
現代では、三斜法ではなく座標法で求積していることがほとんどです。

・筆界点間の距離
境界点間の距離を記載します。
メートル単位で、小数点以下3位までミリ単位まで記載していることが多いですが、
小数点以下2位までセンチ単位までの図面もあります。

・平面直角座標系の番号又は記号
地球上の位置を示すものです。
平面直角座標系は、日本を19のゾーンに分割して、各ゾーンに座標原点を設けています。
各座標系(1系~19系)の原点の値は、それぞれ、X=Y=0メートルとなります。
ざっくり言うと、九州方面が2系、関西方面が6系、関東方面は9系ということになります。

・測量基準点に基づく筆界点の座標値
現在では世界測地系の座標値を記載しています。
首都圏で測地成果2011と書かれているものが最新の測量成果に基づく座標値です。
測地成果2000と書かれているものは、東北の地震の前の測量成果で、最新の測量成果とは多少のズレがあります。

・境界標があるときは、境界標の種類を記載します。
金属鋲、金属プレート、コンクリート杭などの記載がされます。
建物など障害物があって境界標が設置できない場合には、計算点のように記載します。

・測量の年月日
測量をした最終の日を記載します。

これらは、今現在の法律で定められた記載事項です。
古い図面については、
境界標の種類、座標値、隣地の地番など記載されていない図面もあります。

最も古い地積測量図は、昭和36年頃に作成されたものです。
この当時の地積測量図は、長さの単位が間や尺と言った単位で記載されています。
B5で作成されているものもあります。

以上、参考にしていただければ幸いです。