【道路高さ制限】道路から受ける建築の法律制限(道路斜線制限)
新しく道路を築造する上で、その道路に接して建物がある場合です。
その場合には、道路高さ制限(斜線制限)について注意しないといけません。
宅地分譲のプランの初期の段階でチェックしておかないといけないんですけど、
これ結構な盲点で、気づくのが遅いと費やした時間が台無しになっちゃうんで気をつけたいところです。
宅地分譲などで、位置指定道路や開発道路を設計するんですけど、
その場合に、その道路を造ることによって、違法建築物になるような建物があると道路を造ることができません。
今回は、既存の建物が不適格になる可能性がある道路高さ制限(道路斜線)についてお話をします。
この動画を最後まで見ていただければ、道路高さ制限のことが分かります。
少しマニアックで複雑な内容になってしまいますが、宅地の分譲をする上では非常に重要ですので、
ぜひ最後までご覧ください。
このチャンネルでは、土地家屋調査士としての知識や経験をお話します。
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それでは、宅地分譲計画の道路高さ制限の3つのポイントをお話します。
1つ目は、道路ができることで既存不適格になる場合
2つ目は、道路高さ制限(道路斜線)について
3つ目は、道路高さ制限の緩和措置について
お話をします。
1つ目は、道路ができることで既存不適格になる場合
新設の道路を造る場合で、その道路に面して既存の建物がある場合には
建物が違法建築物にならないかチェックする必要があります。
建ぺい率、容積率、そして一番大切なのが道路高さ制限です。
現場を見るときに新設の道路と近い距離に、2階建以上の建物がある場合には要注意と言うことになります。
2つ目は、道路高さ制限(道路斜線)について
道路高さ制限というのは、道路の日照や採光、通風の支障にならないように、建築物の高さを制限したルールのことです。
前面道路の反対側の境界線から、一定の勾配(1:1.25または1:1.5)の道路斜線の範囲を超えて建築をすることはできません。
この勾配については、用途地域が住居系の場合1:1.25で、住居系以外(商業系、工業系)は1:1.5となります。
高さの基準は、地盤面ではなくて道路の中心の高さを基準にします。
道路の車線を超える高さに建築はできませんが、ベランダの格子状やガラス板の手すりは当たっても大丈夫です。
ベランダでも簡易に取り外せない壁状になっているもの、または雨樋は当たっているとNGです。
3つ目は、道路高さ制限の緩和措置について
道路高さ制限の緩和措置について7つあります。
一つづつ説明をしていきます。
・ペントハウス(塔屋)の緩和です。
面積が8分の1以下の階段室、昇降機は当たってもOKということになります。
8分の1以下であれば、ないものとして考えるということになります。
・セットバック緩和
建物の位置が道路から離れた分だけ、反対側の境界から下げて計算することができます。
セットバックの計算は、建物が凸凹してる場合下がっている幅が一番小さいところを基準に測ります。
・公園、水面緩和
道路の反対側に公園や水面(水路、池、河川)がある場合は、その全部を緩和できます。
・高低差緩和
道路より宅地のGLが高い場合の緩和です。
道路の中心と宅地のGLの高低差1mを引いて×2分の1だけ上げることができます。
・角度緩和
低層以外の住居系で道路の幅が12m以上の場合は角度の緩和があります。
道路の幅×1.25の距離を下がったところから、1:1.5で計算できるということになります。
・複数道路緩和
角地などで2面の道路に面している場合は、一定の範囲で狭い道路も広い道路として計算して良いということになります。
幅員10mと4mに面していいれば、4mの道路でも10m幅があるものとして計算することができます。
一定の範囲というのは、広い方の道路の幅の2倍まで、10mの道路であれば20mまで、あるいは上限35mまでこの緩和の適用があるということになります。
・天空率による緩和
天空率を使って計算すると道路高さ制限よりも高く建物を建てることがきるということになります。
天空率というのは、空を見上げたときに、建物が投影する部分を除いた面積の割合を天空率といいます。
空が占める面積の比較です。
この天空率によっては、道路斜線制限が緩和されます。
道路斜線制限の緩和については、
ペントハウス(塔屋)の緩和、セットバック緩和、公園・水路緩和、高低差緩和、角度緩和、複数道路緩和、天空率緩和があります。
過去に道路高さ制限についてヒヤッとした経験があります。
パット見で高さ制限については問題ないだろうということで、分筆などの手続きを進めていました。
建物の建築設計についても、進んだ状態で、道路斜線についてクリアしてる根拠を出してほしいということで言われて、
計算すると若干出ていたんですよね。
冷や汗がドバっと出て、背中を伝うのが分かりました。
これはやばいなと思いました~。
結局は天空率の緩和でクリアして道路位置指定を受けることができました。
計画がどんどん進んだ状態で、実際に位置指定が取れにとなると大変なんですよね。
できるだけ後手に回らずに早い段階で、道路高さ制限(道路斜線)について検討しておく必要があります。
道路高さ制限について、見落とした状態で宅地分譲のプランだけ進んでいくと、あとでかなり焦ります。
以上、道路の高さ制限(斜線制限)についてお話をしました。
参考にしていただければ幸いです。