コンクリート境界標の材質、種類、どうやって設置するの?
境界にコンクリートの杭が設置されているのを見たことがあると思うんですけど、実際にどんな形状をしていて、どのように設置しているのか分からないと思います。
今回は、このコンクリートの境界標について熱く熱く熱く、語ります。
この動画を見ていただければ、コンクリート境界標の材質、種類、埋設方法がわかります。
ぜひ最後までご覧ください。
それではコンクリート境界標の3つのポイントをお話します。
1つ目は、コンクリート境界標の材質
2つ目は、コンクリート境界標の種類と境界の位置
3つ目は、コンクリート境界標の埋設方法
それでは、
1つ目は、コンクリート境界標の材質
まずは、コンクリートの材質の強さはものによってだいぶ違います。
材質が弱いとコンクリートがかけやすいというのがあります。
現場に行く運搬中であったり、杭を埋設するときであったり、あるいは設置後に衝撃が加わると
コンクリート境界標が欠けてしまうということがあります。
永久的に境界の位置を表示するものですから、しっかりとした材質のものを選ぶということになります。
つぎに、通常は、コンクリート杭の中に鉄筋が4本入っています。
鉄筋が4本入っていると頑丈で、多少の衝撃があっても杭が折れたりしません。
たまに鉄筋が1本しか入っていなかったり、あるいは全く鉄筋が入っていないコンクリート境界標もあります。
そうした場合には、耐久性にかけていて、埋設後にも、老朽化やちょっとした衝撃で杭が折れることもあります。
そして、コンクリート境界標のサイズですけどこれはさまざまです。
一般的に多く使われているものは、頭の部分が9センチの正方形で、長さが60センチのものが多いのではないかと思います。
事務所によって、一回り小さい頭の部分が7センチの正方形で、長さが45センチのものを使っている事務所もあります。
頭の十字の部分が大きいと見た目に重々しさを感じますが、境界付近にブロック塀や排水管などの障害物がある場合にはスペースがなくて設置しずらい設置出来ないということもあります。
長さについては長いほど、設置後に安定して動かないということになります。
60センチくらい長さがあると設置後も安定して動かない境界標となります。
設置するときに地中に塀の基礎や排水管などの障害物に当たる場合には、コンクリート境界標を短く切断することもあります。
あるいは、もともと長さの短いものを使用する場合には、コンクリート標の周りをセメントでしっかりと固めて動かないようにします。
私の事務所では、今は7.5センチ角で長さが60センチのものを使用しています。
カクマルというメーカーの商品を使っています。
2面が境界標識になってるんですけど、角が矢印になっているものと十字の組み合わせです。
それと直角が矢印になっているものと十字の組み合わせです。
この組み合わせだと地中に障害物があって切断した場合に、十字ばかりが残っちゃうんですよね。
本当は、角矢印のものと直矢印の組み合わせが良いんですけど、その組み合わせがないので売ってないので仕方ないです。
杭1本が675円なんですけど送料を入れると一本で1000円ちょっとです。
測量専門に扱っている商社さんが販売しているものは、それなりに品質が良いのが多いですが、
町の建材屋さんでコンクリート境界標を買うと、品質がマチマチです。
コンクリート境界標は、設置後は永久にその位置に存在するものですから、
値段よりも品質を重視するのが大切だと思います。
2つ目は、コンクリート杭の種類と境界の位置
コンクリート杭の種類としては、
マイナスのもの、杭の角が矢印になっているもの杭の直角が矢印になっているもの
そして十字のものや中央にくぼみがあるものT字のものなどがあります。
あるいは杭の頭に印のないもの、のっぺらぼうになってるものもあります。
それぞれ境界の位置や意味が違います。
その説明をいたします。
まずは、マイナスのコンクリート杭です。
マイナスのコンクリート杭は、境界線の方向を示します。
境界のポイントに障害物(桝や側溝、水路)があって、そのポイントに境界標が設置できない場合に、境界線上にマイナスの境界杭を設置します。
あるいは、境界が部分的に確認が出来ていないときにもマイナスの境界杭を設置することがあります。
つぎに、矢印になっているコンクリート杭です。
矢印が斜めのものについては、境界杭の角が境界となります。
矢印がまっすぐのものについては、境界杭の側面が境界です。
通常は、矢印の先端と杭の角あるいは側面が一致しています。
たまに矢印の先端と杭の角あるいは側面が一致していない境界杭があります。
この場合は、矢印の先端ではなく境界杭の角、側面が境界となります。
そして、十字、真ん中のT字、真ん中にくぼみがあるコンクリート杭です。
境界の位置についてはそれぞれ十字、T字の交点、くぼみの真ん中が境界となります。
十字のものを入れていることが多いと思います。
たまにT字のものもあります。
T字は3方の境界のときに使われます。
境界線の方向に合わせてT字を設置するものです。
私の事務所では、3方向の境界であっても十字で統一して設置をしています。
また杭の真ん中にくぼみがあるものです。
東京だと御影石で、真ん中にくぼみがある境界標を多く見かけます。
埼玉でも真ん中がくぼんでいるコンクリートの境界標をたまに見かけます。
こうした境界標はくぼみの中心が境界ということになります。
コンクリート杭には、種類があって、それぞれ使い分けています。
3つ目は、コンクリート境界標の埋設方法
コンクリート境界標の埋設するときに注意していることについてお話します。
①コンクリート境界標の向きです。
角が矢印になっているものでも、直角が矢印のものでも、十字でも、
境界線の向きと杭の向きを一致させるように設置します。
杭の向きが境界線と合ってないと格好悪いんですよね。
特に後から境界線にブロック塀をすると、その向きの違いが目立つので、
その辺が注意したいところです。
②コンクリート境界標の高さです。
道路に面して設置する場合は、道路面(側溝)と同じ高さに設置をします。
道路面より高いとつまづく原因になったり、車が乗り入れるのに邪魔になります。
道路面より低いと、ゴミ溜めみたいになってしまいますし、手シャベルなどで少し掘らないと確認ができません。
できれば境界は常に見える状態にしたほうが良いので道路面と同じ高さにします。
道路に面していいないところでは、地盤面より5センチ程度高くして、見える状態にしておきます。
宅地分譲地などで後で地盤面の高さが変わる場合には、計画の高さに合わせて境界標を設置するということになります。
③できるだけ垂直に入れるにします。
コンクリート境界標を設置するときには、下げ振りや気泡付きのピンポールを使って、
できるだけ垂直に入れるようにします。
設置した境界標が斜めだと格好悪いですし、設置後に境界標が動いて斜めになったのか、
最初から斜めなのか判断が出来ないということがあります。
厳密に垂直というわけではありませんが、見て違和感がないように設置します。
④屈曲点(曲がりポイント)と直線上のポイントで杭を使い分けています。
特に決まりがあるわけではないのですが、曲がりポイントについては斜めの矢印の境界標を使って、
直線上のポイントについては、直角の矢印の境界標を使います。
もちろん、塀などの障害物がある場合は、直線上でも斜めの境界標も設置することもあります。
あと、たまたま現地で境界標が足りなくなってしまったときには、曲がりポイントでも直角の境界標を入れることもあります。
厳格に、曲がりポイントは斜め矢印の境界標、直線状は直角の矢印の境界標ということではないです。
しかし、できるだけそうなるように使い分けています。
⑤設置後に境界標が動かないように設置するということです。
境界というのは、設置後も永久にその位置、同じ位置を記したものでなくてはいけないわけです。
特に宅地分譲地の場合は、設置後にも工事車両が入って、境界標を踏むこともあります。
仮に車のタイヤで踏まれても動かにように、しっかりとセメントで根固めをします。
穴を掘るときには、地上部分は狭くても良いのですが、地中部分はダブルスコップを斜めに入れてやや広めに掘ります。
そうすることで、設置する際に位置の調整がしやすいのとセメントで根固めがしやすくなります。
一番下は、土で固めて真ん中をセメントを入れて、スカート状にします。
今回、ご紹介したのは、私の考えであって、違う考え方で境界標を設置する土地家屋調査士さんもいます。
それぞれ流派が違います。
あくまで、今日ご紹介したのは一つの考え方ということで参考にしていただければ幸いです。