これから土地家屋調査士として独立する人に伝えたいこと

土地家屋調査士試験の最終合格発表の時期になりました。
これから登録して、開業される方が多いと思います。
開業するに当たって、期待と不安でいっぱいでしょう。
今回は、土地家屋調査士として独立開業にあたり注意することをお話します。
土地家屋調査士を目指してる人、独立予定の人、独立して間もない人には役立つ情報だと思います。
ぜひ最後までご覧ください。

 

それでは、3つのポイントでお話します。
1つ目は、開業時に注意すること
2つ目は、開業当初の営業について
3つ目は、報酬の設定で注意すること

それでは、
1つ目は、開業時に注意すること
まず、登録手続きに時間がかかる
職印を作る、調査士会の手続きが時間がかかったのを覚えています。
ありがたい話ですが、開業当初に、ご祝儀的に仕事を出していただける人が何人かいました。
地目変更の登記を依頼されたのですが、調査士の登録手続きが遅れてしまい焦ったのを覚えています。
前の職場の退職と同時にスタート出来るくらいに準備をしておいたほうが良いと思います。

つぎに、現場を手伝ってくれる仲間を確保する
測量の作業が1人では出来ません。
でも、当然に常勤の人を雇うことは出来ないわけです。
私の場合は、定年退職した父親と同時期に独立した仲間に、測量を手伝ってもらいました。
急な現場もありますので、そのときにお願いできる人を3人くらいは確保しておく必要があります。

2つ目は、開業当初の営業について
営業活動については、開業当初は出来ることは全部やるという感じでやってました。
飛び込み営業、DM、メルマガ、ブログ、SNS、交流会、セミナー参加、経営者のコミュニティに参加すると言った具合です。
効果が高かったのは、交流会、経営者コミュニティ、飛び込み営業です。

まず、交流会です。
交流会は、いろんな種類のものがあります。
単に経営者が集まる交流会に行っても、土地家屋調査士の仕事に関わる人は、10人に1人くらいしかいないので、効率が悪いです。
士業が集まる交流会、不動産関連の仕事をする人が集まる交流会を探して行くのが良いと思います。

つぎに、経営者コミュニティです。
経営者コミュニティの場合は、その中にいる人の関係が親密になります。
コミュニティの中で仕事を出し合う関係になりやすい傾向があります。
私が所属している倫理法人会とか、他にもロータリークラブとか、ライオンズクラブとかいろんな経営者コミュニティというのはあります。
それぞれコミュニティによって、
集まる時間が夜なのか、朝のなのか、
会費が安いのか、高いのか、
楽しい飲み会なのか、あるいは勉強ができる会なのか
それぞれ特徴があります。
夜集まって、会費が安くて、楽しい飲み会
朝集まって、会費がそこそこ高くて、勉強できる会
どちらが意識が高くて、成功者が多い会なのかということです。
どんな人と仲良くなりたいかも考えてコミュニティを選ぶと良いと思います。

そして飛び込み営業です。
開業当初は、川口市内とその近隣の地域の士業さん、工務店さん、不動産業者さんを片っ端から回らせていただきました。
この飛び込み営業が一番効果がありました。
3年目のときに売上が3000千万円くらいあったんですけど、その半分くらいは飛び込みのお客様だったと思います。
飛び込み営業から今まで20年近く、お付き合いさせていただいてる不動産業者さんもいるし、そこから波及したお客様もたくさんいます。
そう考えると飛び込みの成果というのはスゴイと思います。
最初はドキドキします。
冷たくあしらわれることもあります。
でも若くて、開業したてというと、結構応援してくれる人がいるんです。
飛び込み営業、苦手意識を持たずに、ぜひチャレンジしてみてください。

開業当初の交流会、経営者コミュニティ、飛び込み営業と話してきました。
実は、今はこの手法というのはほとんど使っていません。
もちろん営業としてリアルで人に会うのが最強だと思います。
ただしインターネットの動画配信が、主流になっていく中で、この動画配信がリアルに近い営業効果が発揮できると思っています。
今では、YouTubeを始めとするSNSにカジを切ってるということです。

開業当初は出来ることは全部やるというスタンスで、自分に会う営業スタイルを見つけると良いと思います。

3つ目は、報酬の設定で注意すること
開業をして、わからなくて、悩ましいのが、報酬をいくらで設定するのという問題です。
報酬はこの金額以下ではやらないという下限を決めておくことです。

価格というのは、上下20%までは市場は許容するということです。
相場が10万円の仕事であれば、8万円から12万円までの価格が許容されるということになります。
仮に8万円以下で仕事をすると人を雇いたくも給料が払えないから人を雇えない。
お客様も、仕事の質よりも安さを求めて依頼してますので、値上げが出来ないという負のスパイラルに入っていきます。
仮に12万円以上の報酬で仕事をするには、この人だから仕事を依頼するという何か他の要素が必要です。
開業当初は、多少安くやらなければいけないかもしれませんが、相場とは乖離しない必要があります。

報酬額については、日本土地家屋調査士会連合会のホームページで報酬アンケート結果というのを公開しています。
そちらを参考にしていただければと思います。
最初は相場より安い金額で仕事をしても、徐々に値上げをしていく、
値上げをすると客離れをしてお客様が減ります。
それでもその金額を続けていると、またお客様が増えます。
そしたらまた値上げをするとその繰り返しで徐々に報酬額を上げていくということになります。

開業当初は、不動産業者さんに、
「うちでいつも頼んでる土地家屋調査士は、表題登記を5万円でやってます。それより安ければ依頼します。」
そんなことを言われることもあります。
土地家屋調査士になる人って、真面目な人が多いんで、そういう話で驚くかもしれません。

そんな嘘かもわからない話に振り回されないで、しっかりと軸を持ってやりましょう。
報酬額の下限を設けてその金額以下ではやらない。
そして徐々に、報酬額を上げるのが良いと思います。

開業当初は、危険な人が近づきやすいです。
十分、注意しましょう。
反社会勢力に片足突っ込んでるような人から仕事を受けたこともあります。
報酬を払ってもらえなくて、裁判もしました。
言った言わないで責任をなすりあいになることもあります。

今は、20年近くやってきて、私にはいいお客様しかいません。
誠実に、真面目に、コツコツやっていれば必ず、いい人に囲まれてストレスなく仕事出来るようになります。

以上、参考にしていただければ幸いです。