登記済み権利証また登記識別情報を失くしちゃった

売却などで所有権移転をするとき
抵当権の設定登記をするとき
土地の合筆をするとき
権利証また登記識別情報が必要になります。

でもない。ない。権利証がない!
机の引き出し、金庫、押し入れ探しました。
ベッドの下、本棚の後ろ、冷蔵庫のうえ
こんなとこにあるはずもないのに

権利証を失くしちゃった
でも大丈夫です。ご安心ください。

今回は、権利証(登記識別情報)を紛失してしまったときの対処法をお話します。
この動画を見ていただければ、3つのポイントがわかります。
1つ目は、権利証と登記識別情報の違い
2つ目は、権利証は再交付ができるのか
3つ目は、権利証を紛失したときの対処法
ぜひ最後までご覧ください。

どーも(^^)
開業20年、土地家屋調査士の杉山です。
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それでは、
1つ目は、権利証と登記識別情報の違い
まず権利証なんですけど、
所有権移転などの登記申請書に、法務局の印が押されて受付年月日と受付番号が記載されたものです。
こちらの権利証ですが、あくまでも紙の登記申請書に法務局が押印しただけの書類です。
なので重大な欠点がありました。
権利証の偽造が起きやすいということでした。

そして法律の改正がされました。
法改正がされた後には登記識別情報といって、
今までの紙の権利証ではなくて、12桁の暗号に変更がされました。
法務局から交付される登記識別情報なんですけど、
紙の用紙に12桁の暗証番号が書かれていてその上に目隠しのシールが貼りつけられています。
このシールが特殊なシールで、一度剥がすともう貼り付けられないようになっています。
私たち、土地家屋調査士や司法書士が職務上にシールを剥がして暗証番号を見ることがあります。
その場合には、暗証番号を確認してまた別のシールを貼り付ける。
その別のシールに開封した年月日と署名をするということをします。

そして、そもそも権利証(登記識別情報)がないパターンというのもあります。
法律の改正が行われて、平成18年以降は準備が整った法務局から順次、
登記識別情報が発行されているようになりました。
登記識別情報を交付するかどうかは選べるんです。
登記識別情報を発行しないということもできるし、
一度交付した登記識別情報の効力を失効させることもできます。
現在は、従来の紙の権利証と登記識別情報が共存するようになっています。

2つ目は、権利証は再交付ができるのか
権利証も登記識別情報は再交付はできません。
もしも紛失してしまった場合には、
そのまま紛失したものとして手続きするほかはありません。

ただし、再交付ではなくて新しく権利証をつくる方法というのもなくはないです。
2筆以上の土地がある場合には、土地を合わせる合筆登記をすると新しく権利証(登記識別情報)が交付されます。
仮に1筆しかなければ、一度分筆をして合筆をするということも考えられます。

権利証(登記識別情報)がないという場合に、合筆の話は出るんですけど、
実際には登記識別情報をつくるために合筆をしたということはありません。

合筆登記をして登記識別情報の交付を受けることはできるんですけど、
そこまでする人はなかなかいない言うことです。

3つ目は、権利証を紛失したときの対処法

権利証というとその不動産の権利そのものであって、
権利証を失くしたら権利自体がなくなるような気がします。
実際にはそんなことはありません。大丈夫です。

権利証を失くしちゃったときの対応方法があります。

①事前通知という方法です。
権利証を添付せずに合筆や抵当権設定、所有権移転の登記を申請すると、
法務局から申請人の住所あてに、事前通知書を発送します。
この事前通知は本人限定受け取り郵便で行われます。
申請人本人が上記事前通知を受け取って、
署名と実印を押印して法務局に提出すると登記が実行されます。
この事前通知の方法というのは、ほとんど使われません。
確実に登記が実行されるかわからないためです。
申請人である登記義務者が、きちんと手続を踏まなければ登記が実行されない。
登記が実行されないと、権利者である抵当権者さん、
売買の買主さんは困るわけですから通常は事前通知の手法を取ることはありません。

ただし、合筆登記みたいな実行されなくても不利益を被る人がいない。
なお急ぎでないという場合には、事前通知は使える方法です。

②公証人役場で本人確認情報をつくってもらう方法です。
日本全国に公証人役場というのがあります。
公証人役場で、登記名義人本人であることに間違いないという認証をしてもらう方法です。
その不動産の所在地にかかわらず、日本全国どこの公証人役場で作っても有効です。

公証人による認証というは、本人確認の審査がゆるいことが多いようです。
公証人の認証があったとしても、代理人である司法書士、土地家屋調査士は二重に本人確認を行います。
本人確認が公証人だけで終わるわけではありません。

③資格者代理人が本人確認情報をつくる方法です。
その登記を申請する司法書士、弁護士、土地家屋調査士が申請人本人が厳格に確認した書面を添付します。
そして法務局がその内容について相当だと認めれば、登記が実行されます。
本人確認の方法としては、
写真付きの身分証明書を提示していただきます。
写真付きでない身分証明書であれば数点の提出をお願いします。
そのほかに、面談時に
生年月日、干支、その不動産を取得した経緯など質問します。
その回答がおかしければ、本人確認ができないということになります。
実際に、本人になりすました詐欺事件というのはありますので、
本人確認というのは、厳格に行っているということです。

以上、権利証についてお話をしました。
1つ目は、権利証と登記識別情報の違い
2つ目は、権利証は再交付ができるのか
3つ目は、権利証を紛失したときの対処法

参考にしていただければ、幸いです。

今回も、ご覧いただきありがとうございます(^-^)/
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