司法書士と土地家屋調査士、開業するならどっち?

司法書士、土地家屋調査士どっちなんだ
司法書士、土地家屋調査士どっちなんだ
司法書士、土地家屋調査士どっちなんだ
あ~

今回は、視聴者さんの質問に答えます。
Q:
司法書士か土地家屋調査士のどちらかの資格を取得して独立開業を考えています。
43歳、未経験、行政書士の資格はあります。
人生の分岐点として迷っております。
司法書士か土地家屋調査士かどちらが良いでしょうか。

A:
回答としては、それは人によって違うということになります。

今回は、司法書士と土地家屋調査士の試験の特徴、業務、将来性について話します。
資格に興味のある人、どの資格を取るか迷ってる人には、役立つ情報です。
ぜひ最後まで、ご覧ください。

どーも(^^)
開業20年、土地家屋調査士、杉山です。
このチャンネルでは、土地家屋調査士としての経験、知識、考え方をお話しています。
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それでは、
1つ目は、司法書士と土地家屋調査士の試験の特徴について
2つ目は、司法書士と土地家屋調査士の業務
3つ目は、司法書士と土地家屋調査士の将来性

 

 

1つ目は、司法書士と土地家屋調査士の試験の特徴について
①試験の概要
司法書士も土地家屋調査士も、法務省の管轄です。
司法書士の筆記試験は、例年7月に行われます。
会場は全国15箇所の中から選べるということになります。

土地家屋調査士の筆記試験は、例年10月に行われます。
会場は全国9箇所の中から選ぶということです。

その後、筆記試験の合格者に対して、口述試験(試験管と面談で質問に回答をする)という形式で最終の試験を行います。
司法書士も、土地家屋調査士も口述の試験で落ちることは、まずありません。
なので、筆記試験が大本命ということになります。

②試験の特徴
両方とも、択一式、記述式、口述試験という形式です。
司法書士試験は、法律の知識が問われる。
土地家屋調査士の試験は、法律の知識と測量計算と作図能力が問われます。
そして土地家屋調査士試験は、午前の部、午後の部、口述試験があって、
測量士補、測量士、建築士のいずれかの資格がある人は、午前の部の試験が免除されます。
一般的には、先に測量士補の試験に合格してから、土地家屋調査士試験にチャレンジするのが王道パターンです。

法律をガッツリ学ぶ司法書士、法律プラス測量計算、作図が必要なのが土地家屋調査士試験です。
ご自身に向いているのは、どっちでしょうか。

③試験の難易度
難易度で言うと司法書士試験のほうが難しいです。
2020年のデータでは、司法書士試験の合格率は5.2%、土地家屋調査士試験の合格率は10.4%です。
合格のための勉強時間は司法書士試験が3000時間、
土地家屋調査士の試験が1000時間が最低必要と言われています。
ちなみに私は、土地家屋調査士の試験で3倍の3000時間くらいは勉強に費やしました。
試験のための勉強が得意な人もいるし、私みたいに要領の悪い人もいます。

土地家屋調査士試験の受験予備校で解答の添削のアルバイトをしたことがあるんですけど、
受からない人の特徴って、作図が雑なんです。
作図の下書きをきちんと消していない人も多いです。
あとは基本から外れて、到底試験に出ないようなところを勉強する人もいます。

ものすごく、努力はしたけれども合格というゴールにたどり着けなかった人もいるんです。
人生にムダな努力というのはなくて何かには生きるんですけど、
それでも、資格がある人とない人では、天と地ほどの差があります。

到達できるゴール設定をすることも大事だと思います。

 

 

2つ目は、司法書士と土地家屋調査士の業務
共通しているのは、両方とも不動産の登記申請の代理業務を行うということです。

司法書士は、不動産の権利に関する登記(所有権、抵当権など)の登記をします。
不動産の売買や相続、銀行でお金を借りるときに活躍します。

土地家屋調査士は不動産の表示に関する登記(不動産の現況)を登記します。
土地で言えば、地目と言って(田、畑、宅地のような利用状況)、測量をして土地の正しい面積を登記します。
また建物を新築した場合には、その建物の種類(居宅とか店舗とか)、構造(木造とか鉄骨造とか)、そして建物の面積を登記します。
その不動産の現況を登記することで、本に例えると、この本(不動産)はこんな内容ですよという表紙の部分をつくるイメージです。

司法書士は事務所で書類の作成などの業務を行うことが多いです。
土地家屋調査士は事務所での仕事と現場での仕事が半々くらいの割合です。
現場での仕事では、境界の設置するために穴を掘ったり、セメントをこねたり、コンクリートを削ったりと体力を使います。
時期によっては、暑い寒い、多少の雨でも作業をすることもあります。
私は、こうした現場仕事が好きなんですけど、人によって好き嫌いがあると思います。
現場と事務所での仕事が半々くらいというバランスも私は気に入ってます。
デスクワークが好きなのか、現場仕事が好きなのか、自分に合う方を選ぶのがよろしいかと思います。

服装は、司法書士さんはスーツをカチッと来ていることが多いです。
これは不動産の決済という重要な場面に立ち会いますので、ラフな格好というのはふさわしくありません。
一方、土地家屋調査士は作業着でいることが多いです。
多少、汚れても気にならないし、動きやすいので、私は気に入っています。

独立開業をするにあたって、実務経験が必要か?必要ないのか?
司法書士さんの場合は、実務経験を積まないで独立(即独)される人もいます。
実務経験があったほうがいいんですけど、司法書士さんの場合は、即独も可能です。
土地家屋調査士の場合は、土地の筆界(お隣の土地との境界線)の専門家ですので、
測量の技術が必要になります。
測量の技術を身につけるためには、最低でも3年位の実務経験が必要です。
実務経験を積まないで独立(即独)というのは、土地家屋調査士では難しいということになります。

独立開業にかかる費用です。
司法書士さんの場合は、電話とパソコンとプリンターがあれば、ほぼ開業できます。
それに対して、土地家屋調査士は、測量専用のソフト、測量の機械、測量の機材も必要です。
リースで揃えることが多いですけど、それにしても数百万円のリース契約が必要です。

相談者さんが行政書士の資格をお持ちなので、
行政書士業務とそれぞれの関連についてお話します。

司法書士さんと行政書士業務について
農地の所有権移転をする場合には、農地法の許可が必要です。
土地家屋調査士も共通しますが、取引先さんで不動産業者さんが多いです。
宅地建物取引業の新規・更新の手続きの依頼がいただけます。

土地家屋調査士と行政書士業務の関連について
田・畑の地目変更登記にあたり、農地法の許可が必要です。
建設業、不動産業の取引先さんが多いので、新規・更新の手続きの依頼がいただけます。
宅地の分譲に伴って、建築基準法の位置指定道路の申請、都市計画法の開発許可の申請が必要です。
これから増えてくる市街地の農地である生産緑地の解除の手続きも関連として出てきます。

以上、司法書士と土地家屋調査士の業務についてお話をしました。

 

3つ目は、司法書士と土地家屋調査士の将来性
①結婚したい士業ランキング
独身の人は、やはりモテたいですよね。
モテるというのは、将来性が見込まれてるとも言えるので、士業結婚したいランキングを発表します。
パーセントはアンケートの得票率です。

第1位 一級建築士(42%)
第2位 弁護士(26%)
第3位 税理士(11%)
第4位 公認会計士(8%)
第5位 司法書士(4%)
第6位 社会保険労務士(3%)
同率6位 行政書士(3%)
第8位 弁理士(1%)
同率8位 不動産鑑定士(1%)
同率8位 土地家屋調査士(1%)

第5位 司法書士(4%)、8位が土地家屋調査士(1%)という結果です。

結婚したくないランキングというのもあります。
第6位が司法書士(5%)
そして土地家屋調査士は、第2位(10%)です。

ちなみに1位はダントツで弁護士(54%)です。
これはわかりますよね。
口喧嘩したら絶対に勝てないですよね。
私も弁護士の奥さんは嫌ですね。

②司法書士バブル
2024年までに、相続登記が義務化されます。
今まで、義務がなかったために相続が発生しても、登記されずに放置されることがありました。
それが全体の20.4%九州一個分が所有者不明の土地の問題を生んだと言われています。
実際には、その後の追跡調査をしても0.4%の土地の所有者が特定出来なかったと言われています。

その問題の解決として、相続登記と住所氏名などの変更があったときの名義変更登記が義務化されます。

これが司法書士業界にバブルを生むと言われています。

土地家屋調査士の業界も司法書士ほどではないですが、
相続の登記に伴って、登記されていない建物があれば建物表題登記が必要です。
また、相続をする人で、土地を分けるのに土地の分筆登記が必要になることもあります。

ただ相続登記バブルがずっと続くものではではないので、そこを追っかけていくのはどうかと思います。

開業するときには、バブルも終焉の可能性もあるし、
もともと開業して間もない、仕事の少ない状態でバブルを享受できるのかは疑問です。

③年収
健康、時間、人の幸福、お金では買えないものはたくさんあります。
でも、お金で買えるものもたくさんあります。
ということで、お金ちゃん大事ですよね。

士業の平均年収ランキングを発表します。
1位 行政書士 754.6万円
2位 弁護士 728.6万円
3位 税理士 683.6万円
4位 司法書士 681万円
5位 弁理士 572万円
6位 土地家屋調査士 486.8万円
7位 社会保険労務士 486万円
8位 海事代理士 約300万円

司法書士が4位で681万円
土地家屋調査士が6位で486.8万円となります。
実際には、司法書士も土地家屋調査士も、もう少し年収は高いんじゃないかと思います。

年収ランキングってたくさん出ているんですけど、
情報の発信元によって年収額も順位も違います。

参考程度にしていただければと思います。

④AIと行政の効率化でこの先どうなる
不動産登記もいずれは、効率化がされるだろうとは思います。
市役所で住所の移転の手続きをすれば、自動的に不動産登記に記録されている所有者の住所も変更される。

固定資産税の課税で、土地の利用状況を調査して、課税台帳上の地目が駐車場から宅地に変更する。
それに連動して、登記の地目も宅地に変更されるそうなると思います。

建物の建築の工事が完了して、完了の検査に合格する。
そうなるとその内容、建物の種類、構造、面積、所有者などの情報が、
自動的に登記されることになるんじゃないでしょうか。

すべての業務がAIに代替えされることはないと思います。
しかし、司法書士、土地家屋調査士の申請業務は減ることは間違いないとでしょう。

司法書士と土地家屋調査士、起業するならどっち?
というお話をしてきました。

試験の概要、難易度、特徴
独立するのに実務経験は必要か
独立のため資金
モテ度、年収、これから業界がどうなるのか

考えて判断されてはどうでしょう。

今回も、ご覧いただきありがとうございます(^-^)/
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