土地家屋調査士のよもやま話

土地家屋調査士の仕事をしていると、まあいろいろあるわけです。

めちゃめちゃ怖かった話し、悔しかった話し、寒かった話し、焦った話し、辛かった話し

今回はとりとめもない、よもやま話しをします。

気楽な感じで、2倍速で聞き流していただければと思います。

土地家屋調査士は、いろいろあるよねということで最後までお楽しみください。

 

どーも(^^)

開業21年、土地家屋調査士の杉山です。

このチャンネルでは、土地家屋調査士としての経験、知識、考え方をお話しています。

よかったらチャンネル登録、高評価ボタン、右下のベルの通知ボタンのどれかをクリックしていただけると嬉しいです。

 

それでは土地家屋調査士いろいろあるよね

第1話 めちゃめちゃ怖かった話し

 

皆さんは、物を扱うときに取扱説明書をきっちり読むタイプでしょうか。

私は読まずに感覚でやるタイプです。

 

雑草がぼうぼう生えている空き地の測量をしていて、境界の近くにこぶし2つ分くらいのアシナガバチの巣があったんです。

どうしても測量をする上で蜂の巣を取り除かないといけないので、蜂の巣用の強力なジェットスプレー式の殺虫剤を買ってきたんです。

 

そこで1メートルくらい離れた位置から蜂の巣を目掛けて、ブシューっと掛けたんです。

こぶし2個分くらいの蜂の巣から、あり得ないくらいの大量のアシナガバチがこっちに向かって飛んできた。

もう昔のマンガの世界ですよ。

ぶわーっと蜂の大群が追いかけてきて、わー泣きながら走って逃げた。

赤塚不二夫さんのマンガで言えば走ってる足がクルクルクルって回転してる状態で一目散に逃げました。

ライオンに追われるバンビの気持ちがわかりました。

 

あとで使用方法を読んで見たらジェットスプレーを3m位離れた位置から、3分くらい連続して噴射しないと逆に蜂に反撃されるらしい。

蜂は中途半端に撃退すると反撃されます。危ないので注意です。

使用上の注意をよく読んでから使用をしましょう。ということです。

 

 

 

土地家屋調査士いろいろあるよね

第2話 めちゃちゃ悔しかった話し

 

現場に1万5千円の巻き尺を忘れて帰ったこと

開業当初のときの測量会社のお手伝い的な仕事もしていました。

測量会社からデータをもらって、ポイント出しみたいなスポット的な仕事ですね。

 

測量会社から大きい仕事をいただくこともあるんですけど、

それを受けてしまうと本業の土地家屋調査士としての仕事が入ったときに支障があったりしますので、

あくまでスポット的な1日、2日だけみたいなお手伝いをしていました。

 

仕事をさせていただいた測量会社さんには大変感謝をしています。

 

ただ当然なんですけど、とにかく安い、安い、安い。

 

測量会社さんから、データをもらって、現地にポイントを出すということをしていました。

私の父や同じ時期に独立した仲間のEさんにアルバイトで手伝ってもらって仕事をしていました。

 

ほどなく、現場は無事に終了して、事務所に戻ったんですけど、

現場に買ったばっかりの15000円のテープ(銅巻き尺)を忘れてしまって、戻ったんですけど、もうありませんでした。

 

測量現場は、外構屋さん、基礎屋さん、建築業者さんとか

いろんな業者さんが入り乱れてるんで、忘れ物をするとすぐになくなってしまいます。

 

アルバイト代を支払って、今日はタダ働きだなんて思いながら、

その日は、吉野家の牛丼を食べてふて寝しました。

 

それからは現場では、忘れ物チェックは徹底してしています。

 

 

 

 

 

土地家屋調査士いろいろあるよね

第3話 めちゃくちゃ寒かった話し

 

開業当初のときに、やっぱり全然お金がなかったんです。

中古車屋さんに行って、軽のワンボックスで1番安い車を買ったんです。

確か10万円くらいだったと思います。

茶色の車で、古くてエアコンもないけど、まあ安いなということで購入しました。

後に、この車にまつわる事件がいくつか起こってきます。

 

1月くらいの真冬で、めちゃくちゃ寒い日の現場だったんです。

同じくらいの時期に、独立したEさんに手伝ってもらって仕事をしました。

手がかじかんで字なんて書けないし、ポール持つ手もガタガタ震えてました。

温かい缶コーヒーをカイロの代わりにして、丸一日大変な思いをしてなんとか現場をやり終えたんです。

 

そして、1時間半くらいかけて事務所に帰る帰り道です。

夕方5時には、もうあたりは真っ暗で、今にも雪が降ってきそうな寒さ。

Eさんと「お疲れさま」と言って、ヒーターのスイッチを入れて一番強いところにレバーを持っていった。

一応、クーラーはついてないけどヒーターは使えます。

 

そしてカイロ代わりに、ポケットに入れていた缶コーヒーを取り出し、一息入れた。

あれって思ったんですけど

ヒーターのレバー最強にしてるのにあったかい風が出て来ないんです。

吹き出し口からゴーっと流れてくる風は、全然温かくなくて、むしろ外気のキンキンに冷えた風がゴーっとそのまま入って来るんですよ。

 

それで暖房は諦めて消して、車の中で防寒着を着て、また温かい缶コーヒーを自動販売機で買って、ガタガタ震えながら1時間半かけて事務所に帰ったという話です。

 

事務所への帰り道の中で、Eさんと「土地家屋調査士の仕事で絶対に成功しよう。」と誓いました。

そしてEさんは、今は川口で一番仕事をしている土地家屋調査士になった。

私は、途中で路線を変えてしまって、仕事で成功するよりも人生の成功を目指そうということで、

小さい事務所で、いい人ばかりに囲まれて川口で一番幸せな土地家屋調査士になってます。

 

開業当初の寒かった話ということでさせてもらいました。

 

 

 

 

土地家屋調査士いろいろあるよね

第4話 めちゃめちゃ焦った話し

 

また開業当初に10万円で買った車の話です。

相変わらずヒーターが壊れた状態でなんとか寒い冬を乗り越えました。

そして夏を迎え、練馬区の測量現場でのことです。

 

 

練馬区の現場で朝10時から境界立会をする現場がありました。

外環自動車道って、川口市と練馬区を結んでる高速道路があるんですけど、その高速で現場に向かってました。

 

快調に現場に向かって走ってたわけですよ。

今回も絶好調のEさんが助手席に乗っていて、「いい天気だねえ。」みたいな感じで話してんですよ。

だいぶ早めに出ていたので、10時の立会には余裕だと思っていた。

 

そしたら何かカラカラカラ~って音がして、あれあれあれっと思ってアクセル踏んでもスピードが出ない。

エンジンが止まってスーッとスピードが落ちていって左の路肩に寄せて車を停めた。

 

現場近くの練馬大泉インターの出口付近で、ちょうど出口で左にそれる50メートルくらい手前のところでした。

 

やべーと思って、すぐにJAFに連絡してレッカー車を呼ぶことにしました。

 

Eさんとに車に乗ってレッカー車を待ってもらって、私は歩いて現場に向かおうとしました。

高速道路管理してる人に、「高速道路を歩かないでください!」とめちゃくちゃ怒られて、

Eさんと二人で、レッカー車を待つことになります。

 

ほどなく、レッカー車が到着をして、Eさんと一緒にレッカー車に牽引されて移動することになります。

ルールとしては、レッカー車の役割というのは高速道路を降りるところまで移動させて仕事は終わりらしいんです。

 

ところが、Eさんと二人で、レッカー車の人を拝み倒して、インターから10分ほど離れた現場のところまでレッカー車で連れて行ってもらいました。

そして、8人くらい集まる境界立会だったんですが、なんとかギリギリセーフで間に合いました。

 

やはりお金が無くても、仕事で使う、道具、車、パソコン類などは

それなりに良いものを使わないとだめと、安すぎるものはやめたほうがいいという話でした。

 

中古で安く揃えるのはいいんですけど、やはり極端に安いものはだめです。

後で軒並み、すべて買い換えることになりました。

やはり、それなりにいいものを買わないとだめですね。

 

 

 

 

土地家屋調査士いろいろあるよね

第5話 めちゃめちゃ泣きそうになった話し

 

お隣りの土地の所有者が、埼玉県川口市内の測量であっても遠くに住んでいるということはあります。

埼玉の県外、関西の方面、北海道に住んでおられることもあります。

 

遠くに住まわれている場合は、まずは測量のご挨拶ということで手紙を送らせていただきます。

つぎに、調査と測量がある程度進んだ段階で、境界標や現況の写真、公図や測量図面などの資料と説明の文章を送ります。

そして、境界線の確認と確認書類の署名押印をお願いします。

 

そのときは関西方面の人で、挨拶文と境界についての資料を送付しました。

すると隣地の所有者の人から連絡があって、60歳くらいの女性の声で、

「境界についてはわかりました。書類を送ってもらえれば、サインをしてお繰り返します。」ということで安心しました。

 

ところが一向に、書類をお繰り返してこない。

3日後、4日後、5日後、心配になって電話をしてみた。

すると「境界杭は私の覚えのない間に勝手に入れられたものだ。私が記憶と土地の形が違う」などおかしな展開になってきた。

じっくりと話を聞いてみると、40年前に川口市に住んでいたときの土地が残っていたらしい。

川口では悪い人に騙されて、財産をなくして関西に移り住んだということだった。

「今のままでは境界について納得できないので書類に印鑑は押せない」と言ってきた。

 

私は、30分ほど話を聞いた後に、ご自宅に説明に伺わせてほしいと言った。

そして新幹線で3時間かけて関西のご自宅に伺うことにした。

売買の期日も迫ってる。連日、仲介業者から催促の電話がかかってくる。

自宅に行って一発勝負に掛けるしかなかったんです。

これで自宅に話に行って、「境界については認めません」と言われたら、泣き落とししかないなと思いました。

 

「このままだと〇〇さんの土地が売れなくなってしまいます。」

「売却したお金がないと〇〇さん大変なことになっちゃうんです。」

と言って泣こうと思ってたんです。

 

当日は、早めに家を出て昼前には到着しました。

約束の時間よりも、かなり早く着いたのであたり散歩しました。

閑静な住宅街で、1件、1件の敷地が広く高級住宅が立ち並んでいる。

隣地の所有者さんの自宅も、立派な門構えに、高級車が止まっていて大きな家だった。

FamilyMartのイートインスペースでコーヒー飲んで、泣く準備して、ご自宅に向かいました。

 

ピンポン押して、広いリビングルームに上げていただきました。

そして今までの経緯を聞かせてもらいました。

子供の頃に川口市に住んでいて、土地を貸していました。

そのときに悪い人に土地を貸して、騙されてしまい一家は財産を失った。

幼少期はとても貧しい生活を送ったそうです。

そして関西に移り住んで、なんとか今の事業をするようになったということでした。

 

私が川口市の境界線の確認の話をしたから、

幼少期のひどく貧乏をした辛い経験を思い出してしまったのでしょう。

 

一通り話し終えると、ペンと印鑑を用意されて署名と捺印をしていただきました。

「遠いところ来てもらって、ありがとうございました。」と丁重にお礼を言われ、手土産まで頂いてしまいました。

 

境界線の確認を行う上で、なかなかご承諾をいただけない場面というのはあります。

しかし、ご承諾をいただけない多くの原因は、境界線そのものが原因ではなくほかの要素を含んでいることが多いのです。

まずは、なぜ境界立会に応じないのか、なぜ承諾ができないのか、その理由を把握する。

そのためには、こちらの要望を伝えるだけではなく、相手の話を十分に聞くことが大切だということを実感する出来事でした。

 

 

 

今回は、土地家屋調査士としてのエピソードを5つお話しました。

 

第1話 めちゃめちゃ怖かった話し

蜂に襲われた話をしました。

使用上の注意をよく読んでから殺虫剤を使いましょう

 

第2話 めちゃちゃ悔しかった話し

現場で忘れ物をした話をしました。

帰るときには忘れ物がないかすべてチェックします。

 

第3話 めちゃくちゃ寒かった話し

真冬に車のヒーターが壊れてガタガタ震えました。

その経験が肥やしになり今の力になっています。

 

第4話 めちゃめちゃ焦った話し

車が故障して立会に遅れそうになり焦りました。

仕事で使うものは、あまり安すぎるものを購入するのはよくありません。

 

第5話 めちゃめちゃ泣きそうになった話し

遠隔地の境界確認で最後は泣き落としかと思いました。

なぜ相手が承諾しないのか、泣き落としよりも聞き取りが大切です。

 

 

今回も、ご覧いただきありがとうございます(^-^)/

最後のお願いです(^^)

公式LINEと無料メルマガをやってます。

LINEまたはメルマガ、どちらかに登録して貰えると嬉しいです。

電子書籍の出版もしています。

よかったら、概要欄からクリックしてご購入ください。