【罰則あり!】不動産登記って、法的にやらなきゃいけない義務はあるの

「えっ建物を新築したけど法務局に登記してないの?」

「それ、登記をしないと法律違反です」

「ドーン!」「ドーン!」(笑うセールスマン風)

不動産の登記の中では、登記してもしなくても良い任意のものもあります。

その一方で、不動産登記法で義務付けられている。

なおかつ、登記を怠ってやらなかった場合には罰則がある登記もあります。

 

今回の動画を観ていただければ、義務がある登記とない登記、違反したときの罰則など不動産登記の義務がわかります。

なので、知らないうちに法律違反をするということがなくなるでしょう。

是非、最後までご覧ください。

 

不動産登記の法律での義務については、今までそれほど重要だと思っていなかったのです。

例えば、建物を新築したときに本来登記をしなければならいのを10年間も怠って登記をしなかった。

とは言っても、現実には不動産登記法違反として、罰せられことはほとんどありません。

というか、登記することの義務なんてことは殆どのひとが知らないのです。

なので、正直言って私も所有者さんが登記をしたくないのであれば、登記しなくても良いのではないかと思っていました。

ところが、昨今のちょっとした落ち度を見つけて、寄ってたかって人を攻撃する世間の風潮。

先日は、自民党の森山幹事長が8000万円の豪邸が25年に渡って登記をしていなかった。

不動産登記法に違反しているということで、デイリー新潮が記事にしていました。

こういった、どうでもいいような些細なことを問題視されるような世の中です。

そんな、世知辛い世の中である以上は、人から攻撃される材料を作らないことが重要だと言えます。

なので、不動産登記の義務について知って、登記しないで法律違反にならないように注意する必要があります。

 

では、今回のトピックです。

1つ目は、土地家屋調査士が行う申請義務がある登記

2つ目は、土地家屋調査士が行う申請義務がない登記

3つ目は、司法書士が行う申請義務がある登記

 

では、法律の義務と不動産の登記について紹介しましょう。

1つ目は、土地家屋調査士が行う申請義務がある登記

つぎにお話しする登記は、登記をしなきゃいけない理由が出来てから1ヶ月以内に登記の申請する義務があります。

もし、登記を怠った場合には、10万円以下の過料に処するという罰則があります。

具体的な例を挙げていきますね。

 

まず、建物を新築したときにする建物表題登記

建物を新築したときには、1ヶ月以内に登記を申請する必要があります。

登記をしないと法律違反です。

「ドーン!」

ほとんどの人は、銀行からお金を借りて建物を建築します。

そのため、借り入れをすると銀行は、融資の条件として建物表題登記が必要です。

銀行からお金を借りて建築した場合には、表題登記はされています。

ところが、中にはお金を借りずに現金で家を建てる人がいます。

そういった銀行が絡まない場合には、当然銀行は登記が必要とは言ってこない、誰からも助言がない、所有者さんも登記が必要だということを知らない。

という状況になれば、建築しても10年あるいは20年も登記していないということは、良くあります。

 

次に、建物を取り壊した場合の滅失登記

建物の解体をしました。更地にしました。

という場合には、建物の滅失登記をします。

建物を取り壊してから1ヶ月以内に滅失登記を申請しないと法律違反です。

 

また建物の滅失登記をしないと既に取り壊した建物の固定資産税が課税されたままになってしまう。

あるいは、土地を売却するときに既に取り壊した建物の登記が残っていると支障をきたすことがあります。

法律の義務以外にも、問題が生じますので気づいたときに登記しておくのが良いでしょう。

 

そして、土地の地目変更登記

土地の登記は、地目と言ってその土地の利用状況が登記されています。

例えば、田、畑、宅地、原野、山林というような利用状況です。

当然に、利用状況というのは変わります。

今まで、雑草がボーボー生えている「原野」に家を建てると、「原野」から「宅地」に地目を変更する必要があります。

家を建ててから1ヶ月以内に、地目変更登記をしないと法律違反です。

 

他にも、「田」あるいは「畑」と言った地目が農地の場合には、農地法という法律に拘束されます。

土地を売却するときなどに農地法の許可が必要になりますので可能であれば、「田」「畑」の農地以外の地目に変更しておいたほうが良いでしょう。

また、地目によって銀行で融資を受けるときの評価額が変わることがあるので地目の変更をしておいたほうが良いと言えます。

 

法律で申請の義務がある建物を新築あるいは取り壊したときの表題登記、滅失登記、土地の地目変更登記を紹介しました。

他にも、登記申請しなければ法律違反になる登記はあります。

建物を増築した場合、建物の所在が変更した場合、建物を(居宅から事務所)など種類を変更した場合など法律で義務付けられている登記はあります。

 

自分でも、知らないうちに法律違反をしていることもあると思いますので、注意が必要です。

 

 

 

2つ目は、土地家屋調査士が行う申請義務がない登記

土地家屋調査士の業務の中でも、特に申請する義務がないものもあります。

まずは、「形成的登記」と言われるものです。

「形成的登記」は、所有者の意思で行うものであう。

例を上げると土地の分筆登記、合筆登記が当たります。

分筆、合筆というのは、登記するもしないのも所有者の自由です。

当然、義務というのはありません。

 

もう一つ義務がないのは「更正登記」です。

「更正登記」というのは、登記された当初からその内容が間違っていた場合にする登記です。

例えば、登記されている土地の面積は、古いものだと明治時代に縄に目盛りをつけて測量をしたものです。

明治時代の測量結果を現在の最新の測量機器で、土地の面積を測定すると当然に違う面積になります。

登記された土地の面積を最新の正しい面積に訂正するのを「地積更正登記」といいます。

他にも、建物で本来は「鉄骨造」なのに間違えて「木造」で登記していた。

これを正しい「鉄骨造」に訂正するのを「建物構造更正登記」といいます。

このように、もともと間違っていた登記を正しく訂正するのを「更正登記」といいます。

「更正登記」には、申請の義務はありません。

 

分筆や合筆のように所有者の意思でする「形成的登記」。

あるいは、もともと間違っていた登記を訂正する「更正登記」には登記をする義務はありません。

 

3つ目は、司法書士が行う申請義務がある登記

 

司法書士が行う不動産の登記というのは、権利の登記なのです。

所有権とか、抵当権とかいう権利に関する登記のほとんどは申請の義務はありません。

登記をしても良いし、しなくても良いというのがほとんどです。

 

しかし、相続登記、住所や氏名の変更登記については申請の義務があるので紹介します。

まず、相続登記の登記は、3年以内に行う必要があります。

正当な理由なく、相続登記の義務を果たさなかった場合には、10万円以下の過料に処するという罰則規定もあります。

 

つぎに、住所、氏名の変更については、変更の日から2年以内に登記しなければならず、果たさなかった場合には5万円以下の過料という罰則。

この規定が令和8年4月1日から施行されます。

 

現在所有者が不明な土地が24パーセントあると言われています。

なぜなら、相続登記、住所氏名の変更の登記を行わずに放置している不動産が多い現状があるからです。

そういった所有者の行方が不明な不動産が多いことから、測量に必要な境界立会ができない。

あるいは国土調査や道路の拡幅など公共事業を行う場合、空き家問題でも所有者に連絡が取れず支障をきたすこともあるでしょう。

 

以上、不動産登記の申請の義務についてお話をしました。

これを機会に、ご自身の不動産が法律の義務に違反していないか確認してはいかがでしょう。