【土地家屋調査士】隠語・業界用語・法律用語、変な慣習を紹介します
最初に、この業界に入って困るのは、とにかく言葉が分からない。
次から次へと矢継ぎ早に浴びせられる専門用語、もはや質問することすらできない。
役所に行っても、お客様のところに行っても、スタッフ同士でも話の内容が分からなくて困るということがあると思います。
今回は、この業界の隠語・業界用語・法律用語についてお話をします。
意味や読み方がなかなか分からない。
ググっても、調べられない言葉もあります。
この動画を見ていただければ、ある程度はわかるようになると思います。
7つのポイントで紹介します。ぜひ最後までご覧ください。
1つ目は、略語です
済証
建築基準法の確認済証のことです。
検済
検査済証のことです。
建築の検査済証
また都市計画法の開発許可の検査済証のこともあります。
2つ目は、読み方の2通りの読み方があるものを紹介します。
一筆 (いっぴつORひとふで)
合筆 (ごうひつorがっぴつ)
境界 (けいかいorきょうかい)
競売 (きょうばいorけいばい)
競買 (きょうばいorけいがい)
競落 (きょうらくorけいらく)
2通りどちらで読んでも間違いではありません。
3つ目は、丁目の不思議という話です
何丁目は、横書きでも漢数字で書きます。
これは、丁目自体が名称だからです。
例えば六本木という名称は算用数字の「6本木」ではなく必ず漢数字で「六本木」と書くように、
丁目も漢数字で書くのが正式なようです。
ところが、最近では住民票のような公文書でも丁目を算用数字で書かれていることが多いので、どちらでも間違いとは言えなくなってますが、
算用数字ではなく漢数字で書くのが無難ではないかと思います。
4つ目は、長さと面積についてお話をします。
古い書類や図面を見ると現在では見慣れない単位が出てきます。
わかっていないと仕事ができませんのでお話をします。
1坪=3.3057・・・㎡
1畝=30坪=99.17㎡
1反=300坪=991.73㎡
1尺=0.3030メートル
1間=1,8181・・・メートル
ということになります。
5つ目は、銀行融資の用語です
金消(きんしょう)と決済です。
きんしょうは、金銭消費貸借契約の略語です。
不動産の売買での融資の流れについて話します。
まず、売買契約をして、不動産の買主さんが銀行に融資の申込みをします。
そして、銀行が融資できますよということで融資の承認をします。
その後、金消(きんしょう)、金銭消費貸借契約を銀行と買主さんが結びます。
最後に、融資の実行、売買代金の決済(支払い)それと同時に所有権移転、抵当権設定登記の申請をするという流れになります。
私ども土地家屋調査士の関わりとしては、一般的には、
金消契約(金銭消費貸借契約)までに建物表題登記の申請をします。
買主さんが住所を移転していない場合には、この段階で新居(購入物件の場所)に住所の移転をしていただきます。
そして代金決済までに建物表題登記を完了する
必要に応じて住宅用家屋証明書を取得するという流れになります。
住宅用家屋証明書は、所有権移転、抵当権設定登記の申請をするのに必要な書類で、市区町村の役所で取得する書類です。
金消(きんしょう)と決済についてはこんな感じです。
6つ目は、宅地分譲の形状についての話しです。
①羊かん
これは単純に宅地を縦割りに分割するパターンです。
このぶつ切りのパターンで幅がいくつ取れるかが問題になります。
建物を建てるにはある程度、敷地の幅が必要です。
羊かん切で分譲できるのは、贅沢なパターンです。
通常は幅が確保できないことが多いです。
②カニ
3宅地で分譲する場合に、両サイドが路地状敷地で、真ん中が整形地というパターンです。
見た目がカニに似てるので、カニって言ってます。
③卍(マンジ)
これは文字の字体の通り、路地状敷地で直角に曲げてしまうパターンです。
この形状は、非常に売りづらい。
できるだけ卍にならないように、分譲の計画をします。
④トンカチ
トンカチは、道路の形状です。
トンカチ状に両サイドに、分かれる道路の形状です。
行き止まり道路でも、車の向きを変えやすいというメリットがあります。
位置指定道路のさいたまルールですけど、道路の延長が35メートル以上で回転広場をつくるか、道路幅員を6メートル以上にしないといけないんです。
トンカチのえの部分を通算するわけではなくて、それぞれ個別に長い方で35メートル未満であれば、OKということになってます。
羊かん、カニ、卍、トンカチと話しました。
もしかしたら、埼玉県の一部地域だけの話かもしれませんが、
このような業界用語があるということでお話しました。
7つ目、道路についての話です。
まず赤道、青道です。
これは昔の公図に、無地番の道路は赤色で、水路は青色で書かれていたことから、
赤道、青道というように呼ばれています。
無地番の土地は、国有地ということになり、市区町村の役所で管理されていることが多いです。
あと、道路については条文で言うということが多いです。
役所の人に、この道路は1号です。5号です。とか2項とか条文で言うんです
初めて聞く人は「何言っちゃてんですか?」ということだと思います。
でも、ほとんどの人は普通に言ってます。
1号というのは、建築基準法42条1項1号のことを言っていて、
公共の道路で幅員4メートル以上のことを言います。
国道、県道、市区町村道のことを言います
2号というのは、建築基準法42条1項2号のことを言っていて、
主に都市計画法の開発許可を受けた宅地分譲地の道路です。
5号というのは、建築基準法42条1項5号のことを言っていて、
位置指定道路(私道)のことを言います。
2項というのは、建築基準法42条2項のことを言っていて、
幅員が4メートル未満の道路で、建物を建築するためには、原則道路の中心から2メートルの後退(セットバック)をする必要があります。
但し書きというのは、建築基準法43条但し書きことを言っていて、
建築基準法上の道路に接していない土地は、建築ができないんですけど、その救済措置として法43条但し書きというのがあります。
周囲に空き地(空地)を確保することで、建築審査会の許可を受けて建築が可能になることがあります。
但し書きは、法律上は道路ではありません。空地ですので注意が必要です。
法定外道路です。
建築基準法のいずれにも該当しない道路です。
見た目は道路の形態をしていても、単なる通路の扱いで、建物の建築はできません。
以上、【土地家屋調査士】隠語・業界用語・法律用語、変な慣習についての話です。
それでは、振り返ります。
1つ目は、略語です
2つ目は、読み方の2通りの読み方があるものを紹介しました
3つ目は、丁目の不思議の話です
4つ目は、長さと面積についてお話をしました
5つ目は、銀行融資の用語です
6つ目は、宅地分譲の形状についての話しです。
7つ目は、道路についての話です。
以上、参考にしていただければ幸いです。