【土地家屋調査士】補助者としての働き方~将来独立を目指す人へ

私自身も、土地家屋調査士の補助者として、9年間で3つの事務所で働かせて頂きました。
独立後も十数名の補助者を雇用して、土地家屋調査士として独立した人が6名います。

その中で反省することもあり、補助者としての働き方で思うことがありますのでお話します。

今回の動画を見ていただければ、土地家屋調査士に限らず、
独立開業を目指す人にとって役立つ情報となりますので、ぜひ最後までご覧ください。

それでは私が思う補助者としての働き方3つのポイントで整理をしてお話いたします。

1つ目は、事務所の形態について

2つ目は、新しい仕事にチャレンジする

3つ目は、本来の目的を忘れない

についてお話します。

1つ目は、事務所の形態について
大きい事務所で働くのか、小さい事務所で働くのかということです。

大きい事務所の場合は、分業化していることが多いということですね。
登記は登記部門があるあって、測量は測量部隊があって、分譲開発は専門の人がいるという感じですね。
そうなると同じ仕事を繰り返しやることになって、なかなかトータルでの経験ができないということになります。
私の場合は、分譲開発の仕事が覚えたかったんで、分譲開発の仕事をしてる人と仲良くして、
積極的に仕事を手伝ったり、役所の打ち合わせに一緒に行ったりしてました。
そして今だから言えますけど、みんなが帰った後に、その先輩の作った書類や図面をこっそり見て勉強していました。

また大きい事務所ででは、人数が多い分、案件が多いということもありますので、レアな案件なんかも経験することができます。
特に、面倒な案件を進んで担当すれば、事務所内では貴重な存在ですから、
レア事件を任されて短期間で多くの事例を経験することができます。

小さい事務所の場合は、案件が少なくて分業化はされない。
何でもできるオーランドプレーヤーぶりが小さい事務所では要求されます。
業務を受託するところから、打ち合わせ、納品請求に至るまで、間近で見ることができるのは、
小さい事務所でしかできない経験だと思います。
また小さい事務所では、先生のカラーが色濃く出ます。
嫌われたらそこでは生きていけません。
同じ地域で開業ということになりますとその後も尾を引くことになりかねません。
その事務所の先生とは仲良くする。
どうしても性格が合わない場合は、早めに転職も考えたほうが良いと思います。

2つ目は、新しい仕事にチャレンジする

補助者で働く時間というのは、もう戻ってこない貴重な時間
実務から学ぶことは決して本では学べないことも多いです。
役所の折衝の仕方、境界立会であったり、依頼者との打ち合わせ
書籍では決して学ぶことはできない貴重な体験です。

それにも関わらず、新しい仕事にチャレンジしない人が多いんですよね。
同じ種類の仕事(例えば登記の書類作成)だけを繰り返し、繰り返し、繰り返しやって俺こんなに仕事してんだアピールしてくる。
そういう人に限って、上司として新しいちょっと難易度の高い仕事を頼むと嫌がるんですよ。
本人からすると困難な仕事をすると残業が増える、プレッシャーがかかる、できない自分にたいしてプライドが許さないということなのでしょう。

でもね、それ大変だぞ!と思うんですよね。
私の職場で後輩を持つにしても、転職するにしても、開業するにしても、大変ですよ。
こちらかすると良かれと思って、新しい仕事にチャレンジさせようと思っても本人がそう思ってないという状況はあります。

補助者のときなんて、はっきり言って失敗してもその事務所の先生が責任取るんですよ。
開業したら責任取るのは、誰でもない自分自身です。
補助者時代に、どんどんチャレンジして、失敗して、成長してほしいと思います。

3つ目は、本来の目的を忘れない

待遇よりも、知識と経験が得られるかが大事
せいぜい一つの事務所に在籍するのは、3年から5年でしょ
給料が3万円、5万円の違いなんて開業後の長い人生で言ったら大した問題じゃない
それよりもどれだけの経験が得られるかが大事だと思います。
その経験が後々の宝になっていきます。
楽したい。休みがほしい。お金がほしい。
それは開業して、軌道に乗ってから叶えて下さい。

補助者として働く本来の目的は、開業した後に困らないように
知識と経験と技術で武装することです。
ぜひそのことを忘れないでほしいと思います。

補助者のときに、教えて頂いた人、雇い入れてくれた人、叱ってくれた人に感謝

ただし、合わない事務所は、すぐに止めたほうがいい
ブラックな事務所のあるあるだと思うんですけど洗脳してくるんですよね。
「独立しても最初の3年は食えないぞ」とか言って。
できるだけ、引き止めようとします。
実際はそんなことないですよ。

私が補助者として働いて3ヶ月で辞めた会社があるんですけど
その会社は、常にシーンとしてて、たまに声がするときには社長の怒鳴り声みたいな会社でした。
10人くらいいる会社だったんですけど、1年以上働いていた人が2人しかいなかったんですよ。
働いている人みんなの心がすさんでるんですよね。
社長と直接係るのも、辛いんですけど、他の社員と係るのも辛くて辛くて
そういう環境にいると、心がすさんでみんなメンタルがおかしくなります。
会社全体の雰囲気が悪い悪い。
入社してすぐに辞めても良かったんですけど、なんか周りに迷惑をかけたくないとか変な感情と周りの洗脳もあってズルズル3ヶ月働きました。
あれ以上、働いていたらおそらくメンタルが完全に壊れていたと思います。

今から思うと、もっと早く退職して自分を大切にしてれば良かったなと反省しています。

以上、参考にしていただければ幸いです。

1つ目は、事務所の形態について
大きい事務所、小さい事務所それぞれ特徴があります。
それぞれメリット、デメリットを考えましょう

2つ目は、新しい仕事にチャレンジする
同じ仕事を繰り返しするのではなくて、どんどん新しい経験を積みましょう

3つ目は、本来の目的を忘れない
目先の待遇よりも経験が大切です。
補助者で働く目的は、開業した後に困らないように
知識と経験と技術で武装することです。

補助者のときに、教えて頂いた人、雇い入れてくれた人、叱ってくれた人に感謝しましょう。
自分の仕事の本になる人です。

ただしブラック事務所は、すぐにさよならしましょう。