【公図の種類】市区町村の公図、地図と地図に準ずる図面、旧公図

公図というのは、登記の地番を配列した図面で、その土地の位置関係や形状を確認することができます。

公図は、土地家屋調査士が不動産の調査をする際には、必ず閲覧するものです。

今回は、公図とは、どのような種類があって、どうすれば調査できるかをお話します。

 

公図の種類ですが、
市区町村の公図、14条地図、地図に準ずる図面、旧公図があります。
これらの総称として実務上、公図と呼んでいます。

それでは3つに区分して、この公図を説明します。

1つ目は、市区町村の公図です。
市区町村でも、固定資産税の課税の資料として、公図を備え付けています。
請求すれば閲覧が可能です。

法務局の公図と微妙に違うことがあります。
市区町村の公図も境界確認などの資料として確認することもあります。

2つ目は、14条地図と地図に準ずる図面です。
一般的に取得する公図は、この14条地図もしくは、地図に準ずる図面ということになります。
公図を見ると種別の欄に、14条地図または地図に準ずる図面と記載されています。

14条地図は、現地復元能力のある地図です。
高い精度で作成された図面です。
土地改良、土地区画整理、国土調査法による地籍調査をしている地域で備えられていることがあります。

地図に準ずる図面は、14条地図のように精度は高くありません。
明治時代に作成されたものが引き継がれている図面もありますので、
当時の測量精度を考えれば、現地との多少の違いがあると考えて頂いたほうが良いです。

取得の方法は、法務局の窓口で請求する。郵送で法務局に請求する。インターネット登記情報で取得する。
このいずれかの方法になります。
法務局の窓口、郵送で取得した公図には(法務局の印鑑)公印が押されます。
インターネット登記情報で取得した公図には、(法務局の印鑑)公印が押されません。
公図を行政機関などに提出する場合は、提出先によってインターネットで取得した公印がないものは受け付けないということもあります。
公印がなくても大丈夫かは、提出先に確認していただきたいと思います。

インターネット登記情報については、リンクを貼っておきますのでそちらから御覧ください。
https://www1.touki.or.jp/

3つ目は、旧公図です。
14条地図、地図に準ずる図面というのは、現在の公図に至るまでに何度も書き換えがされています。
書き換える前の公図を旧公図といって、法務局で保管されている場合は、閲覧することができます。

公図というのは古くは、明治時代に和紙で作られていました。
和紙で作成された公図は、何度も閲覧されたり、分筆や合筆のたびに修正がされてボロボロになっていきます。
保存に耐えられなくなるとまた和紙で書き換えられるということを繰り返しています。

その後に、公図はより保存に強いポリエステルフィルムに書き換えられました。
そして現在では、公図は電子情報になっています。

このように公図は、何度も書き換えが繰り返されています。

この書き換え前の旧公図は、法務局で閲覧また写しの交付を請求することができます。
また、旧公図の写しの交付は郵送でも請求することができます。

通常は、旧公図まで調査することはしませんが、
公図と現地で土地の形状が違っていたり、境界について疑義がある場合に調査をします。

公図とは違いますが土地の位置関係や形状、境界を確認するために調査する資料があります。

東京23区だと震災復興図を閲覧できることがあります。
大きな災害や戦災があった地域では、震災、戦災復興図が閲覧できることがあります。
東京だと、関東大震災や第二次世界大戦後に復興のために区画整理をしたときの図面です。
境界点間の寸法や面積が記載されていて、境界の判断材料つすることもできます。

そのほか、土地改良の換地図、土地区画整理の換地図、国土調査法による地籍調査の図面が備え付けられていることがあります。

土地の登記記録の表題部の原因日付の欄に、土地改良、土地区画整理、国土調査の記載があるときには、図面が保管されている可能性があります。
市区町村の役所、法務局に図面の保管があるか確認をします。

山林や別荘地の場合に、公図と住宅地図を照らし合わせても、その土地が現地のどこに当たるのか判断できないということがあります。
近隣に建物などの目印になるものがなくて、対象土地がどこだかわからない。
そういう時には、市町村の役場や法務局に縮尺が1/10000のとか縮尺の小さい全体図が設けられていることがあります。

山林地域で、現地の特定が難しいときには、地番の記載した全体図があるか確認する必要があります。

知り合いの同業者から聞いた話ですが、対象の土地を尾根一つ間違えて違う土地を測量していたなんていう嘘のような話も聞いたことがあります。

それでは振り返ります。
公図の種類です。

1つ目は、市区町村の公図です。
市区町村でも、固定資産税の課税の資料として、公図を備え付けています。

2つ目は、14条地図と地図に準ずる図面です。

14条地図は、現地復元能力のある地図です。
高い精度で作成された図面です。

地図に準ずる図面は、14条地図のように精度は高くありません。

3つ目は、旧公図です。
書き換える前の公図を旧公図といって、法務局で保管されている場合は、閲覧することができます。

公図の書き換えの際に、間違えていないか確認するときに調査をします。

今回は、公図について解説しました。
参考にしていただければ、うれしいです。