公図と現地の土地の形が違う

今回は、公図って土地の位置関係をした図面があるんですけど、

実はこの公図と現地の土地の形状が違うということは、実は良くあります。

公図と現地の形状が違う場合、その程度にもよりますが、分筆や地積更正の登記、売却ができないということになりかねません。

今回は、公図と現地の形状が違う、そのパターンと対処方法を三つお話します。

1つ目は、公図が間違っている。
公図というのは、古くは明治時代に作られています。
当時は、和紙で作成されていました。
当然、閲覧されているうちに和紙はボロボロになります。
こうして公図は、ポリエステルフィルムなどで管理されるようになり、現在はデジタル情報で管理されています。
そうなんです。
何度も、公図を書き換えているうちに、写し間違えるということもあります。

また、分筆の登記をするときに間違えるということもあり得ます。

書き換え前の古い公図、旧公図や地積測量図、その他の資料から公図の誤りが証明できれば、公図を訂正をすることが出来ます。

公図を訂正するのに影響をうける隣地所有者の同意も必要です。

事前に法務局の登記官と、同意が必要な範囲など打ち合わせをして、「公図訂正の申出」をします。

 

2つ目は、公図は間違っていないが、土地の所有者が利用状況を変えている。

これが結構多いんです。
そして利用状況を変えていることを所有者も把握していないということがあります。
祖父母、それ以前の代の話し合いで利用状況を変えていて、そのことが子孫に引き継がれてないとか、忘れられちゃってることもあります。

この場合、利用状況に公図を合わせるには、前にお話した「公図の訂正の申し出」ではなく、分筆登記をして所有権移転をすることになります。
このようなケースでは、公図が誤っているわけでは有りませんので、公図訂正はできません。

分筆して所有権移転の手続きで行うことになります。

3つ目は、公図と現地が違う原因が不明であるという場合です。

公図、旧公図、固定資産税のために管理されている公図、地籍測量図、旧土地台帳、地主さんの保管している図面、建築設計図などをすべて調査をしても、公図と現地が相違する原因が不明である。そういうこともあります。

法務局と相談ということになります。
広範囲に測量した測定結果、地主さん近隣の土地所有者の証言などで、公図訂正を認めてもらえる場合もあります。

あるいは、公図の形状に合わせて境界線を確認して、そのあとに分筆して所有権移転をする。
もしくは、境界確認をした位置に、合わせて土地を利用するということになります。

それでも公図訂正ができない場合は、筆界特定制度を使うことになります。
筆界特定制度であれば、法務局の登記官が境界を決めてくれますから、境界が決まったあとに公図訂正をするのか、分筆して所有権移転をするかということになります。

繰り返しになりますが、
1つ目は、公図が転写ミスなどにより間違っていた場合
これは、法務局と相談の上、公図訂正の申し出をします。

2つ目は、公図は間違っていないが、土地の所有者が利用状況を変えている。
この場合は、利用状況に合わせて分筆をして所有権移転をします。

3つ目は、公図と現地の形状が違う原因が不明である場合
法務局と相談の上、公図訂正、分筆して所有権移転あるいは筆界特定制度を使うことになります。

公図と現地の形状が違う場合、その違いの程度にもよりますが、是正する手続きをしておいたほうが良いと思います。